2009/11/6 研修3日目。夜に念願のナイトマーケットへ出向く。 [平日]

6:35 少し遅れて整形外科(骨科)病棟に到着。教授はすでに来ておられ、幾つか同僚たちの要望などを聞いたりしている。今日も担当看護師とともに回診について回る。
7:00 3日間回るとだいたい雰囲気は解ってきた。教授の受け持ちは脊椎・人工関節がmainとなっており、あとは腕神経叢麻痺の再建後の患者もいる。外傷患者は現在ほとんどいない。外傷は馬先生が中心になっているとのこと。
7:30 今日はmorning conferenceがあり、担当医師がトピックを講演する形式になっている。学会も近いのでその予演も兼ねている。顔先生が2つ発表するようで英語でプレゼンしてくれたので良く理解できた。2つとも腕神経叢麻痺に関するネタだった。
8:30 カンファが終了した。今日は教授が外来日なので馬先生につくことになった。馬先生が最近しているという下腿開放骨折の二期的手術(ロッキングプレートを使用する)についてスライドを用いて説明してくれる。基本的には理解できるが、創外固定の代わりにロッキングプレートを使用するというので若干抵抗があった。今日はそのsecond stageの手術があるということなので興味がある。
10:30 1例目はTKAだったので来ても来なくても良いということになっていたので、遅れてぶらりと手術室に入っていくと、もう既に終了して更衣室で着替えをしていた。1時間程度で終わっていたのだろう。ここではたいがいの手術時間は短い。
11:00 手術室内をぶらつきながら、次の手術(外傷症例:下腿開放骨折のsecond stage op)の説明を馬先生から受ける。彼のPC内には今までの症例のstockがかなり蓄積されており、かなり激しい外傷症例の再建も綺麗にされている。朝にミニレクチャーを受けたロッキングプレートを用いた創外固定症例もかなりされている。軟部組織欠損は即日は簡単な局所皮弁で覆っておき、後日必要であればfree flapを行うとのこと。Dr.Tuはこの種の手術に関しては馬先生にもう任せていると思われる。
11:30 手洗いさせてもらって手術に参加する。創外固定に用いたロッキングプレート(ステンレス製のオリジナル)は近位・遠位1本ずつのscrewを残すのみで他は抜去して設置したままとする。image下でalignmentが良好であることを確認した後、シンセスPLTプレートを挿入する。展開はばっさりと骨膜まで電メスで行っていた。皮下トンネルの作成には長いPLTプレートを用いていたのには驚く(使い回しているのだろう)。脛骨にプレートが良い位置で設置されたことを確認した上で近位・遠位を仮固定(K-wire:ケイピンとか呼んでいる)。プレートが脛骨から若干浮いているのはconventional screwを用いて寄せるのかと思いきや、このgapを寄せる専用のデバイスがあって(セットの中に常備されていた。羨ましい。)、それを用いて徐々に寄せていた。Imageで見るとしっかり寄っていたので感激した。その後は順次ロッキングスクリューを設置していく。手技はかなり手慣れており、screwのサイジングは全く行っていなかった(術前に計測しておくのだそうだ)。基本的に遠位の骨幹部のscrewはmonocorticalを用いるとのこと。近位のscrewは関節面の整復にprimaryの手術で用いたscrewと若干干渉しそうではあったが、うまいことそれぞれのscrewが良い位置に刺入されている。最後にデバイスを固定していたholeも利用してscrew固定を行う。最後に骨折部の骨欠損部に注射器で骨充填(人工骨)を行い、ものの1時間足らずで手術は終了となった。このような手術が定期的にあるのであれば、この病院での研修もかなり面白そうだなと思った次第である。
12:30 手術合間に電話で注文していたミルク紅茶+ゼリーと弁当を頂く(レジデントの先生におごってもらってしまった)。再び昨日同様、北京ダック+餃子の皮などが振る舞われる(誰が買ってきてくれているのだろうか?)。今日は食べ過ぎないように注意した(弁当を少し残す)。
13:00 チーフレジデントの先生が馬先生抜きで大腿骨頸部骨折の人工骨頭置換術の準備をしていた。結構人がいたので手洗いはいいかなと思っていたが、誘われたので参加することになる。後で助手のうちの二人は業者さんであることが判明する。この病院では業者が一緒に手洗いすることも多いようだ。手術は側臥位で側方より侵入するが、前方アプローチ(中殿筋や前方関節包をT字型にcutして関節内に到達)で行っていた。こちらの方が脱臼も少なく展開も楽だとのこと。骨頭の抜去、大腿骨側のリーミングまでは順調に行われたが、ラスピングで近位のcalcar部分のbone supportが失われていることもあり、ステムが緩い。結局はセメントを用いることになった。結局は途中より馬先生も加わって、設置した。あまりネック長決めを細かく行わなかったこともあり、結構tightな印象。腸腰筋を小転子から剥離し何とか整復できた。最後にfasciaを何ヵ所かcutして緩くしていた。
14:30 呉先生が手関節鏡をするというので見学に行く。主訴は手関節痛ということで画像的には特に大きな問題はないようだった。軽度の滑膜炎が疑われ、診断を兼ねた滑膜切除といったところであろうか。手関節鏡の牽引システムはspiderという気圧を利用したものを用いていた(良さそうだったがかさ張るのと高価では?)。手術は座って落ち着いて行う感じだった。手技的にはまだそこまで症例数をこなしてはいないようだったが、TFCCを扱う人にみられがちな若干の粘着気質ぶりが垣間みえたのが面白かった。結局はSLの若干の損傷で同部に軽い滑膜炎があったのと、尺側関節包周囲にも軽度のみ滑膜炎が見られたのみで、最後にステロイドを注入して終了となる(この処置だけでも結果は大差ないかもしれないなとか心の中では思っていた)。
16:30 他の手術も見に行くが、TKAの最中とちょうど入れ替えの時のようであり、今日はここら辺にして切り上げることとした。
17:00 医局で仕事をしていると、日本語を少し使う秘書さんが寄って来た。日本語を習いたいのだろうか?結構話好きの子である。しかし、今、秘書さん達は来週の学会準備で大忙しのようだ。
18:30 いったんドミトリーに戻って休憩することとした。今日は教授がナイトマーケットに連れて行ってくれるということである。
20:00 日記をつけたり仕事をしていたら疲れてきてしまい、音楽をかけながらウトウトしてしまっていた(一応、念のためアラームはセットしてはいたが)。
21:30 FloraからPHSに連絡が入った(21時頃から何度か連絡してくれていたようだ)。外来も終わったので今から行きませんか?ということだった。
21:45 教授の車をFloraが運転するというスタイル(4夜連続)で今日も出かけることになった。教授は長時間の外来で結構疲れているハズだが、今日はまだ少ない方だったとのこと。何とも信じ難いくらいの仕事ぶりだ。
22:15 六合ナイトマーケットに到着した。ここは有名な観光地にもなっており、露店が所狭しと軒連ねている。この風景は台北で行った夜市と同じ風情(こちらの方が少し規模が小さいか?)である。まずは臭豆腐などを頂く。
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お腹も空いておりちょうど良かった。その他も、台湾風おでん、エリンギのから揚げ風、メロン牛乳、龍角という栗のような味の食べ物、また教授お薦めの牡蠣の卵とじお好み焼風などいろいろとtryさせてもらう。
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かなりのhospitalityの良さであり、こちらが恐縮してしまう。日本でこれだけの接待を同じように来客に対して出来るだろうか?疑問であるが、今後は少しでも見習わなくてはならないと思われた。
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23:30 結構遅くなってしまったが、夜市はまだまだ開いている(だいたいAM2時頃までは営業しているとのこと)。Floraもお腹がいっぱいで少し眠そうだ。運転が心配だったが、元気に車を飛ばしてくれた。
24:00 教授はまたこれからいったん病院に帰ってから帰路につくとのこと。本当に信じられない生活を送っている。とても真似はできない。
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