2009/11/7 土曜日も平常業務あり。夜は日本食料理屋へ招待される。 [土曜日]

7:00 今日は朝の会議などがないので若干回診の開始時間が遅くなった(と言っても今日は土曜日なのだが)。少し遅れて教授が現れる(途中で誰かに用事を頼まれていたそう)。
7:30 同様に回診を行う。今日も教授の名前で5件の手術が予定されている(通常の土曜日は10件以上は当たり前とのこと)。回診表などを見ていて気がついたのだが、基本的に台湾人(中国人も?)の名前は3文字だそうだが、時に4文字の人がいるのが気になったので教授に聞いてみると、女性で結婚後に夫の姓を最初に持ってきているのだそうだ。しかし付けたくない人もいるそうで、その人次第であるとのこと。
8:00 手術室にてまずは搬入されて患者に挨拶をしてから(麻酔がかかる前に)、Flora持参の朝食を頂く(メニューはいつもと同じ:チーズハンバーガーと濃い牛乳)。
9:20 手術開始となっていたが、教授のはからいで、脊椎は面白くないだろうから何か持ってきて時間を潰したらいいよと言われた。いったん医局に戻り、解剖の本とPCを持ってくる。手術室内で今この日記をつけたりしている。
10:50 1例目の手術が終了したようだが、教授は途中でいったん手を下ろすし、何だか調子が悪そうだった。時間も予定よりかかっていたし出血量も多かった。休憩時間に教授が理由を話してくれた。今朝、韓国のある教授から今回の学会のmoderatorのドタキャンを言われたのだそうだ。そのことで結構憤っていたのと落ち込んでいたようだ。幸い、日本のY教授が来られることになったということで、代りをお願いする積りだと言っていた。
11:40 私と話していたらすっきりしたようで、次の手術は普通どおり早く終わらせると言って意気込んでおられた。私はまた外からの見学にさせてもらう。前立ちが長年のコンビのMr.シー(始めはドクターだと思っていた)と直介助Ns、骨移植や機械関係を準備する業者、もう一人レジデントが入っているが、彼はすることが少なくぼーっとしていることも多かった(見ていて少し可哀そう)。
12:00 2例目も腰椎の固定術だったが、側弯や圧迫骨折があり、かなりシビアな症例だ。しかし、あまりためらわずpedicle screwを入れていき難なく固定が終了となる。展開・閉創を除けば脊椎固定(4椎間)を1時間で終わらせてしまう。尋常ではない。
13:30 昼食は今日も弁当が準備されていたが、平日のような混雑ぶりはなかった。教授の元気さも元に戻ってきており、次の手術が終了したら、山野先生に連絡を取ってみようということになった。
14:20 3例目は踵周辺の骨髄炎・軟部組織欠損に対する、free flap(glacilis m.)である。是非とも見ておきたかった症例で手洗いさせて頂く。
14:40 まずは、後脛骨動静脈の同定を行う。軟部組織欠損部のデブリを先にすると、かえってこの処置が難しくなるということであった。動静脈にマーキングをしておき、骨髄炎部分のデブリドマンにうつる。外観上の欠損はそれ程大きくないが、不良軟部組織を切除していくと比較的大きな欠損となる。いったんこちらの処置は終了とする。
15:20 Gracilis m.の採取にあたっては、膝屈曲70°程度、股関節外転位で行う。皮膚上にマーキングを行い、島状の皮膚弁areaを決め(この位置が重要)皮下を展開していく。Gracilis m.とAdductorの筋間を分けながら展開していく。途中(遠位側)、1本Gracilisに入って行く穿通枝があるが、こちらはminorなのでクリップでcutする。近位側に向かって剥離を進めていくが、後方marginの剥離は比較的ラフに行けるが、前方の剥離の際には、島状の皮膚弁に軟部組織をしっかりとつけたまま展開しないと、皮膚に行く穿通枝を傷つけてしまうので注意が必要だと言っておられた。従って、その領域はあまりいじっていなかった。この症例は、通常よりも穿通枝が近位寄りに位置していたため、展開に若干苦労したが、穿通枝とそのやや近位に存在する閉鎖神経を確認したのち、慎重にこれらを剥離していく。今回は機能的筋肉移植ではないため神経は使用しないのでcutする。穿通枝の剥離の際にmagnusに入って行く枝があることを示してくれた。慎重に確認しクリップで結紮しないと出血させてしまうので注意。
15:40 欠損部の領域を計測して必要な長さ分のmuscleを採取し、血管茎を切断。静脈2本、動脈1本だった。そのうち太い方の静脈を使用することとなった。ヘパリン処置を行わなかったのには驚いた。しかし、阻血時間を計測しており気にはしていたようである。
16:00 flapを欠損部の仮固定し、縫合し易いように展開を工夫する(ゲルピーの使い方など)。セッティングが終了してマイクロ導入となった。
16:10 動脈は初め3時の位置に縫合糸をかけ、その後6時くらいを縫合した後、間に1針追加。その後反転させて、連続縫合テクニックを披露してくれた。内腔がしっかり確認できて非常に有用な方法で見せてもらって大変有難かった。目から鱗が落ちる思い。連続で縫っておいて、輪っかの部分をcutし、それぞれを縫合していくというやり方(小郡のH先生もそれに近い方法で縫合していたと思う)。縫合後にleakを確認したが若干漏れるのみで、サージゼルを巻くのみだった。静脈も同様に行う。細かいテクも披露してくれた(漏れのある血管の2ヵ所クランプ、クランプをガーゼで押さえる方法、針先プロービング)。
16:40 縫合はかなり短時間で終了した印象。血流が良いことを確認する。Flapを周囲の皮膚とtensionがかからないように縫合していく。皮膚欠損はあったが、本日は植皮までは行わないそうだ。2日後にするとのこと。
17:00 flap採取側の閉創を行ってから、flapを圧迫から保護するための創外固定を設置することになった。見事な連携プレーでぱっぱと組み立てられてしまう。この手技も非常に有用であると思われた。
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17:30 無事に終了した。3時間ちょっとでこの手術が終わってしまうのだからやはり凄いというしかない。BGだったら、どれくらいかかるだろうか?今思うと結構時間のロスがあったのだなと思い知らされる。
18:00 医局に戻って、Y教授宅に連絡を入れてみるが、奥様しかおらず、自分が日本語で伝言を伝えることとした。後で連絡を取ってもらうようにお願いする。
18:20 教授のお母さんも医局にやってきて、Floraとともに4人で市内に向かった。
18:50 日本料理屋酒田に到着。Mr.シーと脊椎手術に入る業者の人(Mr.レイ)が待っていた。ここは日本料理を台湾風に若干modifiedしたお店だそうだ。
19:30 台湾かに、刺身、鮎の塩焼き、茶碗蒸し、エビのてんぷらなどかなりたくさんの品数であり、満腹となった。しかも台湾ビールも結構飲んでしまった。
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20:40 宴もたけなわとなったところで、お開き。かなりまた食べてしまった。鮎の塩焼きの食べ方が非常に上手だということで皆から褒められた。Floraは記念に写真におさめる始末。。。。大したことないのに。
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