2010/01/23 台中で開かれたセミナーに教授とともに参加する [セミナー]

7:10 回診スタート。土曜であるが早いのだ。今日は何人か気になる症例の処置もあったのでしっかりデジカメをスタンバイしている。母趾基部の軟部組織欠損に対する足背の逆行性皮弁の症例も順調である。Skin paddleを採取した部位に分層植皮をしているのだが、まだ段差があるものの内部から肉芽形成が進めばこの段差も殆どなくなるのだとのこと。OBPI術後、5歳の男の子は結構元気になっている。包交時に余裕ができている印象。創状態も良好で一安心。暫くは教授自らが毎日checkするのだそうである。
8:20 回診後、休憩室で朝食をとり、医局に降りてくる。教授が部屋に戻りメールなどをチェックし準備が出来たら出発となる。
9:30 病院玄関前からタクシーでTHSR左営駅に向かう。この教授と2人の移動時間はかなり貴重で色々な話をじかに生で聞けるので、非常にためになる。疲れていそうな時はあまり声をかけないようにするが、基本的にはリラックスしながら気軽に色々と話してくれる。特に自分の体験談などは特に自慢する風ではないのだが、隠さず細かなことまで話してくれたりする。偉くなるような人は何が違うのかな?と疑問であったが、やはり強い信念をどこかに持っているようである。誰もがこのような領域になれる訳ではないし、凡人が真似しても叶わぬ夢ということなのであろうが刺激にはなる。
10:06 台湾新幹線に乗り込む。何故か自分も教授と同じでグリーン車である。このような席に座るのに慣れてしまうと自由席には乗れなくなってしまうかも知れない。しかし、唯一の休憩がこのような移動であるのであれば、これは使って当然なのかも知れない。会社のお金を使って、わざわざグリーンで?と僻む人間もいるのだろうが、ここまで働く人間であれば使用して当然なのかも知れない。と思ったりもした。グリーン車にはコーヒーやお茶、スナック、おしぼりのサービスが付き、綺麗なお姉さんが見回ってくれたりしている。贅沢だ。教授がPCを広げ出したので、自分も真似してしてみる。教授が以前たくさん講演したスライドを見せてくれた。良くもこれだけ・・・・と思ってしまう程の数だ。幾つかの講演に興味を示したら、USBでコピーしてくれた。自由に使っていいよって。それは普通しませんけど、勉強できるのでかなり有難い。
11:00 そうこうしているうちに、台中駅に着いてしまった。迎えの人が来ることになっていたのだが少し早く着いてしまった。従ってまだ現れておらず、暫く待つことになる。程なく、ファイザーのプロパーという男性が現れた。教授には挨拶するが、私には何も挨拶ないし、何となく感じ良くなかった。たまにこういう人もいる。しばらく後部座席でウトウトしていると、今日の研修会の会場となる大学付属病院が現れた。かなりモダンで大きな病院だった。造設して間もないのだそうだ。外観を写真でおさめたりする。
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11:40 教授の元同僚(CG病院時代)で現在ここの麻酔科の部長という男性が迎えに来てくれた。骨科の先生ではないようだったが仲良さそうである。麻酔科部長室に案内されて、2人で何やら話し合っていたので、自分は傍の机でPCを出して作業をしていた。暫くすると副教授というドクターが現れ(こちらの先生の方が上級医のよう)、再び話しだした。ビジネスミーティングで申し訳ないと言われたが、こちらこそここに居ていいものか?という感じだった。途中、部長先生が、昼ご飯を買いに出かけた(一緒に行きましょうと申し出たのだが)。お弁当やスープ、飲み物を3人分買ってきてくれて、その場で食べ始める。食事中も何やら熱心に話し込んでいたが、残念ながら内容は不明である。病院の上の方の立場の話しなので、経営などのことも含まれていたのだろう。
13:30 研究会の始まる時間となり、お開きとなった。会場はこの病院内の講義室を用いるようで、すぐそこだった。会場前には記銘所が準備されており、日本の研究会と同じようなスタイルとなっている。何人か挨拶をしたが、一人はここの骨科の副教授でDr.Tuの後輩になるような人だった。Dr.Tuの後にMayoに留学もしたらしく、結構慕っている風であった。講演が早速始まり、1つの講演が20分ずつ(前半最後のDr.Tuの講演だけ30分)で前半5つ、後半5つの構成になっていた。下肢外傷に関する検討会ということだったのだが、興味深く聞かせてもらった。
14:00 教授は新幹線でスライドの直しを完全に出来ていなかったということで、会場で少し手直しをしていた。ここまでくるとスライドを新たに作らなくても色々とアレンジできるのだろう。内容はcomplex tibial plateau骨折のマネージメントについて、膝関節脱臼の合併症、臨床成績、distal tibial fractureの治療における最近の動向、下肢外傷におけるVAC療法についてなどであった。いずれもレベル的には日本とは変わらないし、むしろ英語を多用しているだけあり、文献的考察のレベルは高いようにも思われた。国際的に考えるのであれば、これからは日本もスライドは英語で作る習慣を作った方が良いのかも知れない(発表は日本語でも)。
16:00 30分以上予定より遅れて教授の講演が始まった。内容は下肢軟部組織再建についてである。
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教授がこれまでに何度となく講演している分野である。内容はかなり重度の下肢外傷であってもマイクロサージャリー技術を駆使すれば再建は可能である。ただつながれば良いというものでもなく、機能的な再建が出来るかどうかがカギなのである。聴講者たちも揃ってその結果の良さに驚くばかりのようであった。骨科でここまで軟部組織再建を行うことができるのは、Dr.Tuをおいて他にはいないだろうと思われる。最後の拍手もひときわ大きかった。
16:20 コーヒーブレーク後再開となる。教授は休憩所で多くの聴講者に挨拶に来られ対応したり、質問に答えたりして殆ど時間がなさそうだった。しばらく遅れて戻って来た。自分の隣に座ってくれていたのだが、暫く聞いてから途中で出ようと言っていた。確かに後半戦はあまり興味深い内容もなく、退屈な感じだった。
17:00 予定より少し遅れて(本当はもう少し早く出たかったのだが、教授の名前を出しながら講演する先生がいたので付き合ってあげていた)、会場を後にする。帰りの送りは付かなかった。これは後から教授に聞いたのだが、面白いのは高雄では送り迎えとも通常は用意すると、しかし、台北は送りも迎えも準備せず勝手に行かねばならない。ちょうど中間の台中は迎えだけだった。とのことである。招待した人に対するもてなしの違いが如実に出ていると思われた。
17:30 THSR台中駅に到着したが、ちょうど今出たばかりで少し出発まで時間が空いてしまった。お土産物屋に寄って、蜂蜜太陽饅頭なる台中の銘菓を買ってくれ持たせてくれた。
17:52 出発。帰りもグリーンで行きよりもかなりくつろいだ感じで帰路につく。以前、教授がフィリピンと中国で講演した後にPCを盗まれた(2回も!)ことや、タイではデータだけ無断でコピーされたりしたこともあると聞いた。日本でそういうことを経験したことはないので、今度の来日は安心していると言っていた。日本に行くことは構わないようだ。しかし、ここで受けた接待のことを考えると、果たして日本で満足してもらえる接待を準備しているかどうかは難しいかも知れない(器械屋がセッティングすることなのだが、どこも不景気なので)。台湾はまだ日本がバブルの頃のような企業の接待などが残っている印象である。
18:30 TSHRの左営駅にFloraが車で迎えに来てくれていた。これから3人で、メーカー主催の忘年会に招待されているので参加することになっていた。義大世界という義大病院のオーナーが経営している一大パーク(アミューズメント、デパート、ホテルなど)の大会場で開かれる。
19:00 到着するともう既に多くの参加者たちが待っておられ一緒になった(一番VIPの座るテーブルに座らされた)。何だか周りは偉そうな人達ばかりだった。こちらを何となく皆見ている。誰だろう?このDr.Tuと一緒にいるのは?みたいな感じか。
19:30 次から次へとコース料理が運ばれてくる。たいがい味はいけるのだが、量が多い。少しずつ残しながらうまく調整する。飲み物はオレンジジュースとワインがなくなると、ウェイトレスさんが勝手に注いでくれる。ビールはないようだ。目が合うとグラスを掲げて飲みましょう。みたいな挨拶はここでもみられる。ある程度食が進むと、皆歩き回って挨拶に出かける。このテーブルはVIP席なので、色んな人が集まって来る。仕方なくこちらも挨拶する(全然知らないけど)。
また、舞台では毎年恒例のくじ引き大会が始まっており、比較的安い値段(殆どは現金が賞品)から始まり、次々に名前が呼ばれる。通常3/4の人間が当たるのだそうだが、今年は更にその場で寄付を募ったりして殆どの人間が何らかをもらったようである。
21:00 カラオケも何曲か歌って実に陽気な感じだった。こういう場で日頃の労をねぎらい、ストレスを発散し、また新たな活力をはぐくむ。昔から日本でも同じようなことが行われてきたのだが、最近は稀薄になりつつあるようにも思われる。個人行動が目立つようになったからだろう。たまにはこういう機会というのは大切にした方が良いと思われる。結局は自分だけの力ではそれ程大したことはできないのだから。
22:00 お開きとなり、Floraの車で教授とともに送ってもらった。
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