2009/11/11 BPIセミナー2日目 [セミナー]

6:30 昨日同様、食事会場に向かう。メニューは変わらずまた肉そぼろ飯をメインにフルーツを多めに取りいれた。
6:50 Dr. Tuが現れて私の分までcheck outしてくれた。何とも申し訳なかった。一緒に病院まで徒歩で向かう。教授は長年この病院で働いていたので言うなれば庭みたいなものだ。整形と形成外科で科は異なるが、Fu-Chan-WeiやDavid Chuangと一緒に働いていたということになる訳だ。自分はここのfellowshipは落とされた訳で何とも変な因縁を感じる。
7:10 まだ参加者は殆ど現れていないが、Dr.Tuが今日の口演のスライドcheckや手術の準備などがあったため、早く訪れた。会った先生を何人か紹介してくれる。有難いことだが、相手にとってはどこの誰だか解らないだろう。名刺を渡した人には、ある程度覚えてもらえるとは思うが(写真入りだし!)。
8:05 コーヒーなどを頂きながらゆっくりしていると、もう既に朝のプレゼンテーションが始まってしまっていた。本日の手術患者の紹介だった。本日も3例の手術が同時に行われることになっている。いずれもFree muscle transferの症例である。この2日間に6例のBPIの手術が行われたことになる。今日のために準備していたとは言え凄すぎる。
8:40 手術室の方で徐々に準備が始まっている。Room Aは、MayoのAlexander Shin先生とDr.Tuの手指屈曲再建のFFMT、Room Bは、小郡のH先生の全型BPIに対するDouble muscle transferの1st. stage、Room Cは、David Chuang先生の5歳女児に対する筋肉移植である。Room B以外は2 teamに分かれての手術だった(H先生だけは、移植筋肉の採取も自分自身でやるということだった。助手の先生には任せられないということなのだろうか?)。
10:00 まずは、Room Aチームの進行が早い。薄筋のharvestingはAlexander Shinn(韓国系のアメリカ人、とても綺麗な英語の発音。ネイティブだから当たり前か・・)が詳細に説明してくれながら進行する。Dr. Shinnは整形外科医であり、膝周囲の解剖やバイオメカにも詳しく、他のチームに比べて皮切も小さく展開も早く綺麗だった。それに平行して、Dr.Tuが肘を中心に展開を進める。正中神経、尺骨神経周囲を綺麗に同定していく。血管の分岐など解剖の教科書のようで良く理解できた。かなり快調にGracillisの展開が済みそうだったが、栄養血管が3つもある破格だったようである。
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11:00 Room Cは、子供と言うこともあり、Gracillisの栄養血管がかなり細かった。従って、David Chuangがそういう場合の血管の処置の仕方について図を用いて教えてくれた。縫合の際に、口径差がある時は問題となるが、分岐部分を利用することで対処できることが解った。
12:00 Room Bの展開は、他のグループに比べると若干遅れていたが、一度展開されている部分のため結構癒着が見られたことが大きい。また、鎖骨に移植する筋肉のアンカーを作成するのだが、骨に針で糸を通す時に日本語で入れとか、良しとか気合いを入れながらやっているのに対して聴衆から笑いが起きていた。このようなStressfulな状況下で手術を行っている人たちの精神力というものは凄いと思われる。かなり自分の手技に自信がないとここまでのことは出来ないと思われる。
13:00 会場が若干冷えていることもあり、時々トイレに立ったりしてついでに昼ごはんをつまんでいた。11:00-14:00の間に各自自由に昼食をとっても良いことになっていた。弁当もあったが、お腹がはりそうだったので、餃子類や寿司のようなものを頂いた。
14:10 Room Bのみ1チームでやっていたこともあり遅れていたが、Aは植皮も終了し片付けていいた。Cは最後の神経縫合を行っていたのでもう少しと言う所だった。これらはサブモニターで流れていたが、メインモニターでは口演が始まった。まずは、Fu-Chan-Wei先生がCG記念病院の紹介やマイクロ手術の変遷などのまとめを行っていた。症例数は1999年をピークに減少傾向にあった。外傷症例が減少し、それに代わって腫瘍の再建などの手術が多くなっているのが特徴だった。特にfree flapは大多数がALTで行われていたのが印象に残った。日本ではLD flapが一般的な印象であるが、LDを用いなければならない症例というのはかなり欠損が大きいなど限られているそうである。Dr. Oberlinの肘屈曲再建の講義(ヨーロッパの先生方はfree muscleの経験があまりないようであった)などその他もあった。
16:00 途中、休憩をはさんで今日の術者の先生方が主にBPIに対するFree muscleの講義をそれぞれの切り口で口演してくれた。Alexander Shinはまだ45歳で見た目もかなり健康的(もともとArmyのDoctorをしていたそう)な先生であり、非常に理路整然とまとめられている印象があった。Dr. DoiのDouble muscle transferの手術はランボー(良い意味で)のような手術だとか言っていたり、聴衆の興味を外させない工夫も随時なされていた。Doi methodは画期的でかなり良い成績をあげているが、問題点も指摘されている。複数回の手術や、リハビリテーションの重要性など。続いて、Dr.Tuが口演する。二部作に分かれており、nerve transferの有用性(two nerveよりthree nerveが特にshoulder functionに関して良好であったこと)や、Doi methodを改良した手術手技(double muscle:薄筋と内転筋の利用を一度に行い、nerve transferも行ってしまうという方法)のとても良い成績をビデオで披露していた。聴衆も固唾を飲んでみていた感じだった。今や他の追随を許していないのではないかという勢いを感じた。少し時間をオーバーして終了し、続けてH先生がDouble muscle transferの紹介を行う。独特の日本語なまりの英語で私にとっては解り易いのだが、ネイティブにはどのように聞こえているのだろうか?と思ったりもする。Dr.Tuの良好な成績を見た後であり、肩の機能回復にどうしても不満が残ってしまう(それでも全型BPIがここまで治るというのは凄いことなのだが・・)。最後にドイツの先生がBPIの将来というような内容を講義されていたが、睡魔が襲ってきてしまった。電気刺激などを取り入れたりすることなども話されていたようだった。
18:00 非常に密度の濃い2日間であり、殆ど未知の領域だった、BPIが何となく解り、世界最先端の手術手技も見ることができてかなり有用だったと思われる。今回のDr.Tuとの出会いが非常に自分にとって分岐点になっているような気がしてならなかった。
18:30 簡単な夕食(ディナーボックスのようなもの)をロビーで済ませた後に、ファイナルディスカッションが始まった。この二日間で参加者から集められた質問をDavid Chuangがmoderateしながらのパネルディスカッションである。D・C先生の独断で進む傾向もあり、パネラーの中には何となく釈然としないようなリアクションをされる先生もおられた。みなそれぞれのPhilosophyがあるようで、なかなか意見がまとまらないということもあった。Dr.TuとAlexander Shin、H先生達の意見がneutralな印象を受けた。
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19:40 まだ途中であったが、Dr.TuとAlexander shinと3人で帰路に着くことになった。タクシーで桃園まで行き、新幹線で左営まで向かう。
20:28 今をときめくBPI、マイクロの大家とともに行動する光栄にありつけていたが、何とも普通の感じだった。この2人はかなり仲が宜しく(お互いをブラザーとか言い合っている)、終始楽しそうに会話していた。実にフレンドリーでいい先生たちである。
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22:06 左営駅到着。Alexander shinは病院から迎えに来ていたDr.Yieがホテルまで送っていくのだそうだ。自分とDr.Tuにはまたまたフローラが迎えに来ていた。相変わらずVIP待遇が続いて行く。。。
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