2010/01/09 昼過ぎまで手術に参加し、午後は付近を歩いて散策する [土曜日]

6:45 ちょっと遅れて到着したが、Dr.Tuは今日も遅い。途中で連絡がありビジネスミーティングがあるので、Dr.S許に回診をお願いしたようだ。私も彼に付いて回ることにした。特に大きな変わりはないようだが、いずれの患者にも家族が付き添っているのに改めて気付いた。日本とはこのシステムは違う。家族が付き添えるという環境がまだ台湾には残っているのである。核家族化や共働きなどがあまり進んでいないこともあるのではないかと思う。看護師の巡回の手間や症状の見落としなど医療の面でも役に立つことは多いのではないか。日本では、家族はできるだけ付き添いたくないというのが実情であるのに(ムンテラで良く家族は付き添わなくてはいけないのですか?とか聞いてくる人もいた)。日本で忘れかけている家族の絆というべきものが残っている気がして羨ましく思う。
7:20 今日は病院6Fの大ホールで病院全体のミーティングがあるらしい(毎週土曜日に開催している)。医者と看護師の婦長クラスは用事がないものは全員参加とのこと(出入り時にIDカードで出欠をcheckしていた)。私もDr.許について聴講することにした。本日のトピックは台北大学の先生による、C型肝炎についてだった。途中で眠くなったが少しは勉強になった。
8:15 まだ講演は続いていたが、手術の準備があるので抜け出る。Dr.Tuは手術室で看護師と何やら話し合いつつ書類を作っていた。今朝は頭痛があったりして、少し調子が悪いみたいだ。
8:40 1例目はspineの固定術と他院でされた大腿骨骨幹部骨折の術後の脚長差の補正のための脚延長術が並列で予定されていた。Dr.Tuはspineの方をやっていて、途中で脚延長に方に現れるとのことだ。私はDr.許がsetting・metal removalまで行うroom7にいることにした。
9:00 抜釘は始めだけmanualで緩めておいて抜去は電動でするという基本的スタイルでスムースに行っていた。日本でも今後は、手術室との関係を良好にしていくためにも、手術時間の短縮や効率化ということについてもっと考えていかねばならないと思う。
9:20 spineの方から手を下してDr.TuがMr.シーとともにやってきた。骨切りの段階になって呼び出したようだ。Unilateralの創外固定器(延長機能付き)をまずは設置してから骨切りを行うのは二次元の長さだけの補正の場合は定石である。素早くscrewを挿入していく。骨切り部は海綿骨が多い骨幹端部が良いだろう。骨膜は出来るだけ残しておくのが良いので必要以上には展開しない。温存がbetter。Bone sawでcutするが、この際、熱が発生して焦げることがあると骨癒合を阻害する要因になると思うので、自分はあまり使いたくない(使うとしても焦げないように気を付ける)。最後はノミでcutしていた。延長のダイヤルを回してみて確実に延長できることを確認した。しっかり接触させた状態で3日程度経過してから、延長を開始するとのことだ。入院は1週間くらいとのことなので、その後の延長は指導して患者自身に行わせると言っていた。
11:00 特に問題なく終了した。手術室にPCを持ってきたので、空いた時間にこの日記を適宜つけることが可能だ。スタッフに日本語を教えたりもする。一日一単語を目指そうと言っている。
11:30 こちらの部屋の2例目は、壊死性筋膜炎後の膝周囲の軟部組織欠損に対する、gastrocunemious muscle flapであった。局所所見はかなり軟部組織欠損が酷く、全身の栄養状態も良くない。Gustrocunemiousの近位内側頭をpedicleとして、切離した遠位側を膝蓋部に飜転しカバーしようというものだ。前回手術の際の筋膜切開部の皮切があまり良くないため、展開に注意を払った。腓腹筋内側頭の近位側には膝窩動静脈からの分岐が入ってくるので、それを損傷しないように展開する。基本的にはsoleusと剥離していくのだが、指で十分に剥離できてしまう。欠損部を充分にカバーできる程度まで展開する。遠位はアキレス腱 となって腱成分になっていくのでその辺りまで展開し切離する。手技的には比較的容易に思える。
12:00 カバーすべきmuscle flapの扱いには十分に注意しており、特に皮膚marginへの縫合方法はシリコンチューブを用いたり、腱成分のパラテノン部の微小血管を傷つけないようにすることや、緊張のきつい場合の皮膚縫合(何とかsutureと言っていたが忘れてしまった)など、所々にふんだんにコツ・テクニックが盛り込まれていた。Flapはtightにならないように、非常に気を使っていた。また後日、肉芽が上がってきたら植皮を行うとのこと。それまではシリコンガーゼでwetにカバーしておくだけとのこと。
13:00 昼食では、弁当のほかに北京ダックと肉野菜炒めみたいなものがエクストラで置いてある。結構、美味しくてかなり食べてしまったかも知れない。
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14:00 午後は、spineの手術ばかりということで後は帰っていいよということになった。教授は見せるべき手術がないとなると、私に申訳ないと思うのか残念そうにする。今度はspineも入らせて下さいと申し出ると、spineはたくさんあるからいつでも!と嬉しそうだった。
15:00 ちょっと部屋に帰ってゆっくりしてから、少し天気も良いので散歩することにした。ズボンを動きやすいのに着替えて出発する。官舎から広い駐車場を通り、まだ行ったことのなかった出口より病院敷地外に出てみる。周りには特に何もなく、大きな幹線が走っていて、車の通りが多かった。ぐるりと広い大学・病院の敷地を1週するような感じで回る。時々デジカメで写真をとる。
IMG_3963.jpgIMG_3972.jpg
しかし道はちょっと埃っぽかった(インドほどではないけれど)。
16:50 病院内に入る。少し小腹が空いてきたので、地下のフードコートへ。少し早いが夕食にしてしまおうかと思い立ち、麺類を頂くこととした。
17:30 ドミトリーに戻る。今日は洗濯でもしようと思い、少し 溜まった下着類を干したりする。部屋も簡単に掃除しておくか(物がないのであまり汚れていないけど)。
19:00 今日はいろいろとPCを使って仕事しておこう。テレビがない生活にも何となく慣れてきたような気がする。
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